腰・背中の主な疾患

ぎっくり腰、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、腰椎変性すべり症 など

ぎっくり腰

ぎっくり腰は、重い荷物を持ち上げたとき、腰のあたりを捻じる動作をしたときに発生することが多いです。立ち上がろうとしたときなど、急な動作の際に起きることもあります。ご承知の方も多いと思いますが、主な症状は腰痛です。初期の段階では動作時に痛みが強くなり、歩行困難になります。そのため、まずは安静に努めるようにします。

治療に関していうと、多くの場合、1週間程度で痛みが落ち着くため、医療機関を受診せずに経過観察されている方も少なくないようです。しかし、きちんと受診することで痛みが軽減されます。なお、1週間以上が経過しても痛みが続く、足がしびれるなどの症状がある場合、ほかの病気の可能性もあるので、お早めに当院を受診するようにしてください。

腰椎椎間板ヘルニア

人間の脊椎は背骨が積み木のように重なって構成されています。この脊椎をつなぎ、クッションの役目を果たしているのが椎間板です。椎間板ヘルニアは、一部の椎間板が本来の位置から飛び出して神経根を圧迫し、神経の支配領域に激しい痛みをもたらしている状態です。このうち、腰の椎間板に生じたヘルニアが「腰椎椎間板ヘルニア」です。治療に関していうと、基本的には頚椎椎間板ヘルニアと同じように、痛み止めなどの内服、神経ブロック注射、理学療法などを行い、痛みを緩和させていきます。

腰部脊柱管狭窄症

腰部脊柱管狭窄症は、文字通り腰部の脊柱管が狭くなる病気です。加齢などに伴って靭帯の肥厚が生じたり、骨の一部が棘状に突出したりすると、脊髄や神経根が圧迫されてしまいます。好発年齢は50~80歳くらいの中高年で、女性より男性に多い傾向がみられます。運動によって腰部を酷使されている方や、脊椎に何らかの病気が潜んでいる場合は、比較的に若い年代でも起こります。

主な症状は、腰の痛みや足のしびれです。とくに間欠性跛行の症状がよくみられます。これは、歩き始めはスムーズですが、歩き続けると臀部や足に痛みやしびれの症状がみられ、やがて歩くのが困難となります。しばらく休息をとるなどすれば再び歩けるようになりますが、歩き続けると、痛みが出て歩けなくなります。腰椎の変性が馬尾神経を圧迫していると、しびれや灼熱感などの症状がみられたり、膀胱直腸障害がみられたりします。治療に関していうと、基本的には装具療法、薬物療法、ブロック注射を行っていきます。こうした保存治療だけでは症状がよくならない場合は、手術療法を検討します。

腰椎変性すべり症

腰椎変性すべり症は、腰椎部分にある椎骨が、下の椎骨よりも前後にずれている状態です。多くは前方にずれるのですが、後方へずれるケースもあります。原因としては、椎間板や関節の加齢をきっかけとした変性と言われています。主な症状ですが、腰痛がみられることもあれば、そうでないケースもあります。また、間欠跛行も起こりやすいです。治療においては、痛みを軽減させるための装具療法、薬物療法が基本となりますが、それでも症状が改善しない場合は手術療法が選択されます。